VR NEWS

15.06.08

VRは次のステージに

近年盛り上がりを見せているVRですが、一時期流行ったARや様々なデジタルコンテンツとは違うステップを踏み出したように思います。

VRコンテンツが一般の人々の目に触れるようになったのは、1年ほど前だったでしょうか?もちろん、開発サイドではもっと昔からちらほら目にするレベルだったように思います。しかし一般レベルに認知されるようになったのは自分の知るところによるとやはり「Google Cardboard」発表の折だったように思います。そのときに様々な簡易VRヘッドセットが注目され、一定の基準を満たしたスマホであれば快適にVRコンテンツに触れることができました。それ以前の世間一般のスマホでは、VRビデオの再生すら問題があったように思いますが、いまや3Dもそれなりのクオリティで動くようになっています。 □VRコンテンツは「目新しい」というステップを超えた 世の中に物事が知れ渡るのにはいくつかのステップがあると思います。 まずは【一般的に(もしくは大きく今までのものと違うと思えるほど)新しいと感じたとき】です。俗にいう【物珍しさ】です。もちろんそれは専門家の間ではさほど新しくないことでも、一般的にはまだ知られていないことであれば、【新しいことである】と認知されます。ほとんどのデジタルガジェットの流行はこのポイントで止まります。なぜなら「新しいこと」が優位性のものは、世間に認知されることで、その存在意義を失う、つまり拡大することで価値が薄まるものであるからです。 「新しいから欲しい」という欲求は、あくまで「物欲」や「所有欲」に近いもので、手に入れることで完結してしまいます。この物欲や所有欲というのは、ハードはともかくソフト(デジタルコンテンツ)との相性は悪いと考えています。ソフトはあくまで仮想のものであり「所有する」ことが楽しみではないからです(一部特殊な収集癖がある方は別として)。 VRヘッドセットも初めのころはそんな広がりを見せていました。「とにかくスマホで周囲を見渡せるのが面白い、しかもこんな簡易に。」しかし同時に人々はひとつの大きな疑問にぶつかります。「これは別にこんなゴーグルをかけなくても楽しめるのではないか?」という疑問です。実際、モノラルタイプのヘッドセットはその疑問に対しての適切な回答を用意できないと思います。なぜなら「モノラルタイプのヘッドセット」はスマホをヘッドセットに装着しても、単にスマホの画面が大きく表示されるだけであり、ヘッドセットがなくともコンテンツを閲覧するには実害はなりのですから。 □「VRだからこそ楽しい」を考えるようになった 先日、VR界の盟主(といっても過言ではないでしょう)Oculusが開催するVR JAM2015のMobile部門の勝者が発表されました。ここで求められたのはやはり「VRだからこそ体験できる世界を愉しむ」というポイントです。モバイル部門では「ステレオVR」(Oculusの場合はGaerVRに限ったコンテンツも多いです)に絞っている点があります。視差を巧みに利用し、ただ「飛び出す」に終わらない新たな「楽しみ方」と、モバイルの制限とのバランスを求められました。ここに多くのクリエイターが集結し、307個ものアプリが集結し、各々がその「楽しみ」を競いました。個々で競われたのは「技術」ではなく「楽しさ」です。そしてVRというコンテンツの様々な「楽しみ方」が提案されました。 この「楽しみ」こそが自分が考える「目新しさ」の《次のステップ》です。「新しいから欲しい」ではなく「面白い(面白そう)だから欲しい」というのは、コンテンツそのものに価値をつけることが出来るということです。つまり物欲や所有欲と違い、知識欲に近いもの(=つまり消費するコンテンツ)であるということになります。 そしていま、VR界隈では《楽しみ》について多くのクリエイターが考え、それを発表しあう場所が設けられ、おのおのの技術を閲覧し、批評し、感服するという素晴らしいサイクルが生まれ始めています。 □Oculusだけじゃない、MobileのVRは大きく変わっている VRのコンテストは何もOculusが行っているのみではありません。Unityというマルチプラットフォームでゲーム開発が出来るゲームエンジンでも、Unity Awardsというものに今年からVR部門という部門を設置しました。モバイルゲームを先導するUnityが「VR」というジャンルにも力を入れたいと考えている一つの指標だと言えるかもしれません。 □VRの最新技術を体験したい? VR界隈が面白くなっているとはいえ、製品版として私達が手にすることができるものはまだまだ半年〜1年ほど前に「パイロット版」としてリリースされていたものばかりです。やはり最新のものに触れたいとかんがえる人も幾らかはいらっしゃると思うのですが、まさに今最新のVRは玉石混交の極みです。だからこそ「Award」的なものでクオリティのベンチマークを作り出しているのです。よって最新版を体験するよりも製品版として整えられた環境を愉しむことがベストであると思われます。「新しい=面白い」ではないのですから。